四季があり、豊かな自然が育む日本の風土

春、夏、秋、冬それぞれ変化に富んだ季節が、ある時は安らぎを与えある時は過酷な環境が健康で丈夫な生体に育て上げます。また、川や地下水など栄養価の含む豊かな水源が、牧草や牛に健全な育成を支えます。

和牛のおいしさをつくる稲

飼料は牧草や稲わらなどの粗飼料と濃厚飼料のほか、稲を丸ごとサイレージにしたWCS(ホールクロップサイレージ)なども給与します。特に稲わらは、脂肪交雑や脂肪の色を白くするためにも不可欠です。 繁殖用の雌牛や妊娠牛は健康な子牛を産むために放牧も行われます。

和牛のおいしさの「ひみつ」

飼黒毛和牛の肉質を語る上で欠かすことのできない存在が、オレイン酸とステアリン酸です。黒毛和牛は数ある牛肉の種類の中でも、脂肪を多く含む種類として知られています。その脂肪の含有量が多いことが、その美味しさを決定づける要素の1つです。 しかし、ただ脂肪が多く含まれているというわけではなく、その脂肪の大部分がオレイン酸とステアリン酸によって構成されていることにあります。

黒毛和牛の柔らかさの「ひみつ」

黒毛和牛の肉質を作りあげている要素に大きく関わっているオレイン酸とステアリン酸は、不飽和脂肪酸と呼ばれる種類の脂肪であり、通常の脂肪と比べて融点が低いということが挙げられます。一般的な動物性の脂肪「ラード」などは、少々温度が高かったとしても溶けずに個体を保っています。 しかし、不飽和脂肪酸、特にオレイン酸やステアリン酸はかなり低い温度であったとしても融解していくという特性から、それらが多く含まれている黒毛和牛の肉は口の中に入れた瞬間に口内の体温によって脂肪が溶け始めるため、柔らかな食感となるのです。

融点が低い雌の黒毛和牛は、さっと湯通しする日本
特有の「しゃぶしゃぶ」が肉の特性を活かした料理
方法のひとつです。

雌牛に多い不飽和脂肪酸

特に不飽和脂肪酸と呼ばれるオレイン酸とステアリン酸の平均含有率が80~90%もの比率で多く含まれているのは、黒毛和牛の中でも雌牛であるとされています。 それゆえに、一部のブランド牛においてはそのブランドの基準として雌牛でなければならないという条件をつけているものもあります。

動脈硬化を防ぐ黒毛和牛の脂身

オレイン酸は動物性脂肪の中に一定数含まれているものでオリーブオイルが主要な成分であることも知られています。もう一方のステアリン酸はイワシなどに代表される青魚に多く含まれています。これらのことからオレイン酸やステアリン酸が健康において、血液をサラサラにする効果を持っているということが分かります。