牛肉の始まりは縄文時代から

日本では縄文時代から弥生時代の頃に家畜化が始まったとされ、牛の骨が多く発掘されています。また、弥生時代の貝塚から牛、猪、鹿、野ウサギなどの肉を食料としていたと思われる出土品もあり、この頃から日本人は牛肉を食べ始めたと推測されます。日本書紀や続日本書記には、牛や馬などの肉を食べることを禁止する令が出ていたため、弥生時代から奈良時代の千年ほどの間で牛肉が食されていたとされています。

文明開化と牛肉解禁

仏教が日本に定着すると戒律によって殺生を禁じられたため、牛は公に食されず主に農耕や運搬などの役畜として飼育されていました。明治時代にキリスト教の布教が解禁され、外国人が入国し都市部において牛肉の需要が高まりました。明治5年に明治天皇が牛肉を食したという記録もあります。明治33年、農商務省はエアシャー種、ブラウン・スイス種、シンメンタール種などを輸入して和牛交配を開始。その後改良を重ね、昭和12年には「黒毛和種」という名称で認定されるに至りました。社団法人全国和牛登録協会によって、現在登録されている黒毛和種の99、99%が兵庫県香美町の小代(おじろ)地区で飼育されていた一頭の「但馬牛」の種雄牛である「田尻号」を共通の祖先にしていると発表しました。

日本全国の黒毛和種の母牛の99.9%以上の子孫だと 言われる但馬牛の「田尻」号。